射撃場の事故



LA郊外の射場で、500発の9ミリ弾を撃ったことを別項に書いたが、そのときに事故が起きた。被害は、筆者の右目。 幸いなことに眼球への損傷は無かったが、上下のまぶたに火傷を負ってしまった。
原因は、左側で撃っていた友人の9ミリ自動拳銃から弾き出された薬莢が、右側にいた筆者の右眉付近にヒットし、シューティンググラスと右目の間に入り込んだのであった。

本来このような事故を防ぐためにシューティンググラス(写真左)や射撃の轟音から鼓膜を守るためにプロテクター(イヤマフ::写真右下)を使用するのだが、眼鏡の弦を耳に掛けて、上からイヤマフをつけると隙間ができて遮音が不十分となるため、やむなくイヤマフの上部にメガネの弦を掛けることになる。 
その結果眼鏡自体が前傾し、眉と眼鏡の上部に不要な隙間が生じる。また射撃時には軽い前傾姿勢をとることから、この隙間が前方向に開き、より危険な状態となり、運悪くここに熱く焼けた空薬莢が飛び込み事故となった。



以前にも左側で撃っていたAK-47の空薬莢が、筆者の首からシャツの中に飛び込み、首にやけどを負った事故があり、以来射撃時には首元の閉じたシャツや上着を使用することにしていたが、シューティンググラスの事故は初めてだ。

銃に慣れていない人は、このような軽い事故でも簡単にパニックを起こし、手に持った銃の引き金を引いてしまい、より重大な誤射事故を起こすことがある。リボルバー拳銃の射撃では起きることの無い事故で、改めて自動拳銃のもつ危険性と訓練の重要性について感じたのであった。

 

事故について、もう一件。
とある観光地の射場で、筆者はブースが空くのを後方で待っていた。
観光地の射場でワイワイガヤガヤのシロウト衆と一緒に並ぶのは、事故に巻き込まれる恐れがあるので、「君子危うきに近寄らず」と筆者は極力避けることにしている。
そんな中、多少射撃をかじっている様子の若者がいたので、何となく観察していたところ、突然彼が姿勢を崩し、次の瞬間に銃を不用意に発射してしまった。
幸いにも、弾丸は射撃テーブルの前方の端を撃ち貫いただけで、本人や周囲の客に負傷者が出なくてよかったが、それにしてもゾッとする光景だった。 

事故の原因は、空薬莢を踏んで足を滑らし、その際不用意に引き金を引いたのである。
もっとも周囲の客も、係員もこの事故に気づいたものはいなかった。 
よく見ると、射場の屋根などに穴が開いており、誤射事故が起きたことを物語っている。

正規の射場では、このような事故を予防するため係員が頻繁に空薬莢の掃除をしてくれるが、観光地の射場では無理な注文か。
余談だが、このような誤射事故を防ぐため、射場で貸してくれるレンタルガンは、トリガープル(引き金の抵抗力)がやたらと硬くしてある物が多い。
米警察の関係者から聞いた話で、9ミリ自動拳銃やサブマシンガンが普及してから、大量に排出される空薬莢に起因するトラブルは警察の現場でも起きているそうだ。

米国の正規の射撃場には、経営スタッフとは別に、射撃場の統制を主な任務とするレンジマスターが居り、すべての射手はこの指揮下に入るのがルールだ。
レンジマスターは、個々の射手の動きをよく観察しており、何か危険な兆候を認めると、すぐに係員(もちろん武装している)を行かせて問題を排除する。 
さらに適時、射撃中止、休憩、周辺の整理整頓、標的の修正、射撃再開許可等を命令し、射場の安全確保に大きく貢献している。
当然だが、レンジマスターは、飲酒や精神不安定な者の入場を拒絶したり、指示に従わない射手を退去させる絶大な権限を持つ。 
このようなレンジマスターの居ないプライベートレンジでは、自分の安全は自分で守る、自己防衛の工夫が必要である。

 

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