防弾ガラス
Transparent Armor (透明なアーマー)
自動車用防弾ガラス
防弾乗用車には、通常ポリカーボネート 積層型防弾ガラスが使用されます。
一般の自動車用ガラスと異なり、生板(フロート)ガラスを何層か積層し更に内側にポリカーボネートを接着したタイプで、薄くて軽く防弾性能も強力です。 乗用車には原車と同様の球面に仕上げたものを使用します。 製造は、予め板ガラスを球面に仕上るよう複雑なカーブでカットしたものを積層枚数分用意し、オリジナルガラスの球面を再現した治具に乗せ、特殊な加熱炉で加熱成形します。 球面に成形されたガラスを幾層か重ね、中間膜と内側にポリカーボネートを接着することで積層式防弾ガラスが完成します。 乗用車タイプの防弾車には不可欠の材料ですが、前述のとおり大変多くの工程を要し、且つ歩止まりが悪いため価格は非常に高くなります。
防弾ガラスが弾丸の貫通を止めるメカニズム
防弾ガラスの防弾のメカニズムは、鉄板等のハードアーマーのように弾丸を弾き返すのではなく、高速の弾丸をガラスの層で受け止め閉じ込める方式です。
高速で飛翔する弾丸は、空中を飛ぶだけでも空気抵抗でエネルギーを奪われ、やがて重力により地面に落下します。防弾ガラスのメカニズムはこれと同じような原理です。
高速で防弾ガラスに衝突した弾丸は、ガラスを砕きながら進行することにより、多くのエネルギーを奪われます。さらに、ガラス同士を接着しているポリエステル系中間膜の、「引っ張り強度」により、ガラスに割らせまいとする反発力が働き、弾丸に強く抵抗します。 また弾丸はガラスに衝突することで弾頭変形(弾頭が潰れる)が生じ、断面積が倍増するため貫通力が激減します。 これらの一連の作用を通じて、着弾時の弾丸の持っていた一点集中の鋭いエネルギーは、ガラスと中間膜に侵入する過程で一瞬にして拡散され、最後はポリカーボネートの柔らかな伸びにより残りのエネルギーが吸収され弾丸は停止します。
防弾ガラスの特徴
防弾ガラスは、拳銃弾用、ライフル弾用、徹甲弾用と弾丸の速度やエネルギー、弾頭の強度や硬度等によりさまざまな物がありますが、基本的な防弾の原理は全て同じです。 防弾レベルに応じて適切な厚さの防弾ガラスを選定することが重要です。
またポリカーポネートを内側に積層することにより、着弾時に発生するスポール(有害な高速の破片)が防護側に飛ばないため、従来の合わせガラス式の防弾ガラスと比べて格段に安全性が高まっています。 ただし、ポリカーボネートは、柔らかいうえに熱に弱く、薬品にも弱いという欠点がありますので、防弾ガラスの内側のポリカーボネート面には、傷を付けないよう、加熱しないよう、またシンナーやガソリンその他の薬品を付けないよう慎重な取り扱いが必要となります。また、防弾効果を上げるため(強化ガラスは限度を超える圧力を受けると粉々に割れる性質があり、防弾には不適)、生板のフロートガラス使用しておりますので小さな衝撃、小石や硬いものがHitしただけで簡単に割れる欠点があります。 また、寒冷地の野外等でフロントガラス等が凍りついた状態から、暖房の熱風を掛けると、ガラスの表面と裏の間に熱膨張率によるストレスが生じ中間膜やポリカーポネートに、剥離現象を引き起こします。 寒冷地用には熱線ヒーター入りの防弾ガラスが必要です。 また、中間膜やポリカーポネートは紫外線に弱いため、使用環境にもよりますが耐用年数の目安として3年から6年程度といわれております。なお、耐用年数を経過したからすぐ防弾性能が低下するのではなく、剥離現象(防弾ガラスの内部中間膜等に気泡)が起きると防弾能力が著しく低下しますので、廃棄・交換の基準となります。
防弾ガラスの構造
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特殊な中間膜によりガラス層と内側にポリカーボネートパネル接着することで軽量且つ強力な防弾ガラスとなります。 特に内側のポリカーボネート板により砕けたガラスの小片が室内に飛散することを防ぎます。 |
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インパクト角度の影響
左の図から分かるように、インパクト角度の変化によって、パネルのブレット抵抗係数が変化します。テストは一般的に90度:すなわち最もインパクトの衝撃が大きい角度で実験されます。ガラスの長所とポリカーボネートの防爆性を結びつけたため、プラスティックやラミネートガラスに比べて、最も優れた透光性セキュリティパネルです。
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