20/03/2009
最新の軍用小口径銃弾
(A))Steel Chip
米軍の主力小銃M16シリーズやSAW MINIMIで使われている M855 スチールチップ弾。 NIJ規格には無いが、ヨーロッパではEN-B6レベル(NIJ-3のWIN308と一緒に併記)とされる。
イラク戦から米軍の主力小銃弾として使用されている。 M16小銃弾 5.56X45mm FMJの鉛弾頭にブランクコア(中空)と小さな軟鉄芯を入れたハイブリッド弾丸。 人体に当たると、ブランクコアが潰れてFin状となり血管や神経を切り裂く。 さらに内蔵されたスチールチップが防弾ベスト等のソフトアーマーを貫通して人体に損傷を与える。 防弾ガラスや鋼鈑等のハードアーマーに対する貫通力は低く、NIJ-3で停弾できるが、ダイニーマやスペクトラ等のソフトアーマーのNIJ-3レベルは貫通する
画 像
(メーカーのカットサンプル)
(B) Mild Steel Core
AK-47の軟鉄ジャケット弾やM16のスチールチップ弾等をひっくるめて、大雑把にMild Steel Coreと表現されることが多い。 厳密にMild Steel Coreを内蔵する弾薬としては、AK-74で使用される 5.54X39 mm ( 5N7 )がある。 米軍M16のスチールチップ弾 M855/SS109 とほぼ同等の貫通力を有している。防弾レベルははNIJ-3+またはEN-B6
(C) Hard steel Core
上記のMild Steel Core をさらに強化したAK-74の新型弾頭 ( AK-74 Karashinikov 5.54X39mm 「 7N6 」 ) で 1987に採用された。 弾頭トップは従来同様ブランクコアであるが、「7N6」 は、「5N7」で使用されていた軟鉄芯ではなく、直径2mm・長さ1.5cm程度の鋼鉄芯 (Steel Rod と表現される)に代えられている。 旧タイプの「5N7」やM16シリーズで使われている、 「M855スチールチップ弾」に耐える、NIJ-3レベルのアーマーパネルや防弾ガラスを容易に貫通するなど、格段の性能向上がはかられている。 さらにブランクコアと鉛部を弾頭部に、長い鋼鉄芯のpenetraterを弾尾部に配した独特の不安定構造を有している。 そのため人体に被弾した場合、弾丸が偏進しやすく、体内で縦に回転する不規則な動きを引き起こすため、人体を容易に貫通してくれない。 さらにブランクコアによるFin効果との総合的な作用で柔らかな人体に与えるダメージはきわめて大きいことが予測される。 貫通力そのものは、本物の徹甲弾30-06APやNATO M61APに及ばないが、防弾するにはNIJ-4またはEN-B7の小銃徹甲弾レベルが必要となる。
当社では、従来(A)(B)(E)は、便宜的に 「NIJ-3+」 と表現していたが、この、「7N6」Hard Steel coreは、「 NIJ-4/EN-B7 アンダー 」 として、貫通力の違いを区別している
(D) Steel Core
AK-47やトカレフ拳銃で使用されるという軟鉄芯に直接銅メッキを施した弾頭。 通称「鉄ムク」弾と呼ばれているらしい。 鉛の消費を防ぐため作られたチープな弾頭。 一般的に出回っていないので現物は確認できていないが、貫通力はそれなりに高いと思われる。
欧米の防弾レポートに出てくる Steelcoreとは別物。 こちらは、(A)(B)(E)のことをひっくるめて単にSteelcoreと不勉強な表現をしていることが多い
(E) Mild Steel jacket
マイルドスチールジャケット弾( 通称チャイナボール) 。 米英日等西側の軍隊では、FMJ弾丸は カッパー(真鍮)製ジャケットに鉛芯であるのに対し、旧共産系諸国では、弾芯は鉛であるがジャケットには、厚く銅メッキした軟鉄製を使用している。 この軟鉄製FMJ弾丸は、カッパージャケットに比べて、弾頭変形が起き難い性質を持っておりそのため貫通力に優れている。 トカレフ拳銃の7.62x25mm tokalev やカラシニコフ小銃の 7.62X39mm AK-47 ボールとしてスタンダードな弾薬である。 中国北方工業公司製のAK-47弾は、通称チャイナボールと呼ばれる。 こちらは米国司法省の規格に無いため、便宜的にNIJ-?プラスと表現する。イラク・アフガン等の紛争地域で使われているAK-47ライフルはほとんどこの弾丸を使用しているといわれる。
NIJ-3 レベルのDYNEEMAやSPECTRA繊維系防弾素材で、30NATO 7.62X51mm(WIN308)
が停弾しても、弱装弾のAK-47が貫通する現象は、ジャケットの素材の違いに起因する。
チャイナボールの鉛芯に、日本の廃バッテリーも原料として使われているという説もある
(F) Hard Steel jacket
ハードスチールジャケット弾。上記の軟鉄ジャケットにに熱処理を加えて更に弾頭変形を押さえ込んだ弾丸。 当社で22口径ライフル弾を実射試験したところ、NIJ-3+・EN-B6のライフル強化弾対応の軍用鋼板を貫通した。 構造は単なるボールだが、性能はAP弾である
(G) AP 弾
アーマーピアシング。 FMJの弾芯に鋼鉄やタングステン鋼の貫徹子を入れたもの。主に30口径以上の自動小銃や機関銃弾に使用される。 最近の傾向として22口径アサルトライフルには、上記(A)(B)(C)のような徹甲弾類似品が使用されることが多い。
代表的なAP弾として、旧共産圏の AK-47 7.62X39mmAP や旧米軍の 7.62X63mmAP (M2AP) 現NATO軍の 30口径ライフルや軽機関銃で使用される 7.62X51mm AP( M61)
等が挙げられる。 なお軍用CAL50 BHMG 12.7X99mm は全て鉄芯弾
(H) API 弾
アーマーピアシング インセンディアリーの略称で徹甲弾に焼夷弾の機能を持たせたもの。 小銃弾の場合、榴弾(炸裂弾)のように爆発で破片を撒き散らすのではなく、弾頭に組み込まれた火薬の燃焼によりエンジンや燃料タンクを発火させる機能を持っている。主に旧共産圏の小銃・機関砲弾として普及。 例 dragunov 7.62x54mmR BZ 23 API Kalashinikov 7.62x39mm BZ API
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