トカレフ拳銃と弾薬の入手

日本向けの防弾素材のプリテスト用として、購入を手配していたルーマニア製のトカレフ拳銃(製造年式不明)と1950年代製造のポーランド製の7.62X25mm MSJ弾(軟鉄製弾頭)がやっとLA在住の、銃所持許可を持つ知人のもとに届いた。

以前にLAの銃砲店にトカレフ拳銃と軟鉄ジャケットのトカレフ弾を注文しようとしたところ、トカレフ拳銃は流通量が少ないので入手が難しいと断られ、さらに軟鉄弾頭の意味が理解してもらえず、やむなく日本から米国のネットオークションなどにアクセスして売り手を捜し、米国在住の知人に実際に購入してもらうことになった。

あらゆる銃がネット上で販売されているアメリカだが、銃砲店の言うとおりトカレフ拳銃の販売数が非常に少ないのは事実で、真剣に探さないと見つけられない。 トカレフは1933年制式の古い銃だが、中国では今も警察や軍の一線で使用されている現役銃で骨董品ではない。 単に人気がないので流通も少ないというところか。

カリフォルニア州(米国全てか?)ではライセンスがあれば銃を購入できるが、購入者の法的条件を確認するための調査期間(リードタイム)が約2週間必要である。 さらに自宅への銃の配達は法律で禁止されているため、遠方から取り寄せて購入するような場合、購入先の銃砲店に受け取りの銃砲店を指定し、リードタイムを経過した後で店に出向いて受け取ることになる。 ちょっと面倒だが事故・事件予防のためには合理的なやり方であると思う。

また特筆すべき状況として、MSJのトカレフ専用弾は銃以上に入手が困難だった。 本来のトカレフ拳銃の貫通力を発揮するMSJ(マイルド スチールジャケット 軟鉄被甲弾頭) 弾は一般の銃砲店では取り扱っていなかった。 米国の一般的な銃砲店で売られている7 .62X25mm 弾は、ほとんどが真鍮系のFMJ弾頭である

何しろ銃砲店の店長自身が、FMJ弾頭にブロス(真鍮系) 以外のものが存在することを知らないうえに、弾薬のパッケージにも単にFMJとしか記載されていないので、問い合わせの話が全くかみ合わない。 やっと知人の友人の紹介で、見つけたのが1950年代製造のポーランド製の缶入り1.260発であった。 50年前の弾薬なので相当傷んでいるのではないかと心配したが、軍用のブリキ缶でがっちり保護されていた弾薬はサビや化学変化も発生しておらず、全く異常無しの状態だった。       

以上の経過を得てやっと実銃と専用弾薬を入手(知人名義)できたので、米国出張のついでにLA郊外にある「Prado Shooting Park」にてこのルーマニア製のTOKAREVと1950年代製造のポーランド製MSJ弾を撃つことになった。

 

LAの射撃場風景

ダウンタウンからフリーウェーで1時間ほどの場所、ロサンゼルスオリンピックの射撃大会のために作られた施設で、オリンピック以降はパブリックの射撃場として開放され、誰でも入場料(お一人様20ドル)を払えば場内で射撃できる。
そのほか、拳銃のライセンス取得のためのスクールなども開催されている。
(注) レンタル銃はないので、MY GUNを持ってこなければならない。 

場内は、大きく分けて3つのゾーンに分けられる。 北側にクレー射撃場、中央に5~30ヤード程度の主に拳銃のための射撃場、これが3面ほどあり、南側には、50ヤードほどのやや長めで広い射場があった。
ライフル用の長距離レンジもあるはずだと捜し歩いたが、見つけられなかった。


 






各種の標的が選べる。

レンジマスターが射場の後ろに居るのだが、ほとんど何も指示が出ない。勝手にくつろぎながら射撃を楽しんでいるようだ




銃に慣れているせいか、皆さんリラックスしていらっしゃるが、目線は油断無く絶えず周辺に向けられている。
特に、他人の持っている銃の状態(銃口がどちらを向いているか、ハンマーは起きているか、スライドがオープンしているか)などしっかり見ている。


30ヤードから22口径セミオートライフルをサウスポーで撃っている。


親父さんと友人、どちらかの娘さんといった感じ。22口径セミオートライフルにドットサイトを使用して、狙撃訓練をしていた。観測手二人が着弾の修正を、射手はその都度照準器の調整と射撃を繰り返していた。





射撃訓練風景


何かの試合に向けた訓練を繰り返していた。




トカレフと弾薬1,120発、指のマメ

ルーマニア製トカレフ拳銃(骨董品?)と、おてんば GLOCK19


ブリキの缶詰から取り出した、1950年代製造のトカレフ弾。
ブリキの缶詰から取り出した、1950年代製造のトカレフ弾。
トカレフを350発ほど撃ったところで、人差し指の下側(中指の隣側)にマメができて、潰れた。
トリガーが異常に重いうえに、強い引っかかり抵抗があるからだ。その原因は、米国市場向けに後から無理やり取り付けた、セフティレバーだった。これがトリガーに無用の摩擦抵抗を与えていた。 さらに発射の衝撃でたびたびセフティレバーが上がってしまい、トリガーが引けないという異常事態が頻発した。
後半には学習効果で、セフティレバーの出っ張り部分に上から右手の親指を掛けてグリップすることで、勝手にセフティが掛かることを避けるようにしたが、不安定なグリップでは、当然ながら照準も外れることになった。
全く持って余計なことをしてくれたもんだと一人で立腹。・・・・セフティレバーは別項の写真参照


射場の片隅に取り付けられた安全に引き金を引くための器具。 銃に弾薬が残っていないことを確認するために射撃の前後に銃口を突っ込んで、引き金をカチカチやっていた。もし弾薬を抜き忘れても誤射・暴発の危険を防ぐ装置。
アメリカ警察の射撃訓練場等で良く見かける定番アイテム。

 


<参考データ>

7.62x25 Polish FMJ. 1260rd in Can
[5-1204b]

Polish 7.62X25/30 Tokarev FMJ ammunition. Corrosive, 1950's era production. 1,260rd spam can. Since this is stab crimped older ammo cracked necks are often found. (There are 18-70rd boxes in one spam can.)
ボーランド製 1950年代製造 7.62X25mm  Tokarev  FMJ  1.260発 (70発入18箱) 
Mild Steel Coor Jacket 価格 $90.09


 


ROMANIAN CUGIR TTC 7.62x25 Tokarev pistol


問題となった、後付のセフティレバー
引き金の右上のレバー、写真の状態は発射、これを押し上げるとセフティだが、作動を固定させるためのバネやクリックが付いていないため、発射の衝撃でフラフラとセフティが掛かってしまい、引き金はびくともせず、発射することができない。 いざと言う時に大変危険な装置だ。そのセフティの上にあるのがスライドのストップレバー、下の丸いボタンは、マガジン(弾倉)リリースボタン。

今回の購入に要した費用

・Tokarevピストル M57 7.62x25 M-57 ルーマニア製 $349.94
 Freight  カンサス州からロサンゼルスまでの銃砲専門輸送費用 $22.95
 カリフォルニア州の税金:$34.12、登録費用:$30.00 $64.12
 銃砲店による整備と試射費用 $50.00、保管用ロック購入:$8.78 $58.78
・Ammo 弾薬 トカレフ7.62x25mm FMJ 弾薬 1260発/缶x1缶=1,260発 $138.60
 Freight  アリゾナ州からロサンゼルスまでの銃砲専門輸送費用  $24.24
   
合計 
$658.63 
(為替 1ドル90円として、約60,000円也)

 

 

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