9ミリ拳銃弾

はじめに
拳銃というと一昔前は、38口径リボルバーか、コルト45、映画の世界では、クリントイーストウッド (最近の彼はものすごく老けて一昔前という表現が妙にリアルに感じられる) 演ずるダーテイハリーが44マグナムをぶっ放していたが、9ミリ拳銃というのは、
ほとんど目にすることが無かった。
ところが、アメリカ陸軍が1985年にコルトガバメントからM9(ベレッタM92F米国ではベレラと発音)を制式採用してから、アメリカ中のほとんどすべての軍隊と警察が9ミリ拳銃に「右へならい」を始めてしまい、最近では38や357マグナム、45ガバはもはや骨董品の感がある。

日本でも、自衛隊将校用としてSIG社のP220をミネベア社がライセンス生産した9ミリ自動拳銃が既に採用され、9ミリ化が進行している。 
今回は、この9ミリ拳銃で使用される、9mm弾について述べてみたい。

国内で銃を使った事件が発生すると、使用された銃などについてコメントが発表されるが、時には興味深い表現をされていることがある。
たとえば、2007年5月17日、愛知県愛知郡長久手町で起きた、元暴力団組員の男が自宅に立てこもり、息子、娘を拳銃で撃ち負傷させ、同日夜、特殊部隊が救出していた時、男が再び発砲し後方支援の隊員が撃たれて死亡するという痛ましい事件が起きた。
この事件後に、「使用された銃は、9ミリの回転式拳銃で、通常、使用する拳銃よりやや大型」とコメントが出された。しかし9ミリ回転式拳銃と表現される拳銃は存在しない。おそらく38口径リボルバー拳銃を示しているのだろう。また通常、使用する拳銃よりもやや大型、ということは.357マグナム拳銃のことかもしれない。         
そのほかの例として、「9ミリ拳銃、または9ミリ弾の薬きょうが落ちていた」という場合は、9ミリ自動拳銃のようだ。

本来9ミリとは、あくまでも弾丸の直径、ダイアメーターが9.00mm であることをいい、通常は9ミリパラベラム弾 (9×19mm Para Bellum )のことを指す。

なお、38口径弾の直径は 38/100 インチ 9.65mmであり、通常9ミリ弾とはいわず、普通に38口径と呼ぶので、9ミリ回転式拳銃という表現は警察独自の用語のようだ。
また、マカロフ拳銃も、9ミリ弾を使用するが、こちらは マカロフ弾( 9mm×18 別名 9mm Kurtz クルツ ドイツ語で短いという意味)として、9ミリパラとは別物として表現されるのが一般的である。
 
 
拳銃戦闘に革命を引き起こした9ミリ弾
9ミリ Para Bellum (戦闘といった意味)弾は、旧ドイツのルガー社が開発した弾丸で、弾速が比較的早く、弾道がストレートでバランスが良いと言われている。
ベレッタ以前の米陸軍制式拳銃であったコルト45と比較すると、弾丸の口径が小さいことから、マンストッピングパワー(威力)不足が指摘されたが、弾速が早く、距離が伸びることと、マガジンの装弾数が格段に増やせる等のメリットが威力不足を補って余りあるものと判断されたようだ。

この多装弾の9ミリ自動拳銃は、拳銃を使ったタクティカル(拳銃戦闘戦術)に、革命的な大変化を引き起こした。
従来の拳銃射撃は、一発ずつ狙って撃つのが基本だったのが、アサルトライフルのようにたくさん撃って、そのうちの幾つかが当たればよいという、弾幕射撃が可能になったのである。
 
たとえば、現在米国の警察官は、9ミリ自動拳銃用15発マガジンを4本程度予備に携帯しており、銃のマガジンと合わせると5本で、携帯する弾丸は75発程度である。
従来の回転式6発弾倉の時代には、警官はクイックローダー(だったと思う)というリボルバー用のスピード装弾具を2~3個携帯していたが、この時代と比較すると、携帯弾丸数で75対24、すなわち3対1の前方投射能力の差が生じた。
さらに、自動拳銃のマガジンは2~3秒で素早く交換でき、ほとんど絶え間なく発射可能であるため、実際の戦闘(撃ち合い)においては、さらに戦力差は大きくなる。

そのため残弾と装填のタイミングを気にしながら、一発ずつ狙って撃つリボルバー拳銃は完全に時代遅れとなった。

又聞き話で恐縮だが、最近の拳銃射撃タクティカルコースでは、「まず撃て、とにかく撃て、撃ちながら有利な態勢を確保しろ、どこでも良いから先ず相手に当てろ、当ててから仕留めろ」といった戦術を訓練しているそうだ。

 

9ミリ弾を使用する代表的な拳銃
SIG SAUER(シグザウァ) 社製 P220・P226 
H&K (ヘッケラーコッホ) 社製 USP9およびサブマシンガンMP-5
S&W(スミス&ウェッスン) 社製 M39 
ベレッタ社製 M92 
ワルサー社製 P99 
マカロフ IZ-70 (マカロフ弾 9mm×18 別名 9mm Kurtzを使用 )

 

9ミリパラベラム弾(9×19mm Para Bellum )のメーカー

米国の3大メーカー:
REMINGTON 
WINCHESTER 
AMERICAN EAGLE

 

パッケージの説明

REMINGTON
9ミリ弾の構造や弾頭の種類等が記されている。



WINCHESTER 
どうでも良さそうなAPPLICATION GUIDE が記されている。


 

 

 

 



AMERICAN EAGLE
弾丸の速度について
マズル(銃口)で 1.160 25yds 1.100 50yds 1.060 (fps)
354m/s 335m/s  323m/s  
弾丸のエネルギーについて
345 310 285(ft,.lb) と記されている。



 

 



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