USA TODAY 記事紹介1「顔・認識システム」
顔データベース システムの開発

テロリズムに対抗する次の武器として検討される顔認識システム
プライバシー保護派は技術に懸念
USA TODAY Thomas Frank 報告


ワシントン ― 国土安全保障の幹部たちが、顔の特徴を分析するデジタル監視写真を利用してテロリストや犯罪者の発見を目的とする、未来的だがプライバシー侵害の可能性のある技術を模索している。

争点の顔認識テクノロジーは、データベースで何百万枚もの写真と瞬時に比較することが可能な数列に写真を変換するもので、政府はその最先端研究の一部に資金提供している。

顔認識研究は、連邦航空保安官が、テロリストデータベースに載っていないか調べるために飛行場、バス停留所、電車の駅で人の写真を機密に撮ることができるようにするためのものであった。航空保安官らはカメラを使わない方法での被疑者の特定に焦点を絞るために、この技術を否定した。


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それでも、研究は継続されており、国家安全保障局の科学技術部門で指令・制御・相互運用を率いるDavid Boydによれば、監視カメラに撮影された人物を警察が特定する助けになるかもしれない。

この技術はボストンのローガン国際空港、繁華街、およびタンパで行われた2001年のスーパーボールで試験されている。
身元確認を素早く行えるということは、「ビデオ監視を急加速させることになる」とACLUのプライバシー専門家であるJay Stanleyは警告する。「ごくありふれたカメラレンズを、画像をとらえるだけでなく、その画像と身元確認が結びつく目利きの監視者に変貌させてしまう。それが監視カメラの魅力を増加させることになる。」

電子プライバシー情報センターのMelissa Ngoによれば、普通の監視カメラで観察されている人が、名前まで知られてしまうようになるため、この技術はプライバシーを脅かすという。「何も悪いことをしていないのに追跡されるのはおかしい」と彼女は言う。

International Biometric Industry Association(国際バイオメトリック工業会:米国の業界団体)の会長であるWalter Hamiltonは、顔認識カメラは、カジノで知られているカードカウンターや、その他の招かざるギャンブラー達を見つける助けとなってきたことを指摘した。

Hamiltonによると、さらに最近では19の州でこの技術を導入して、運転免許証の申請者を免許証保持者の写真データベースと比較して、申請者が既に免許証を持っていないか、あるいは身分を偽っていないか調べている。

研究では国家安全保障局がいまだに成功していない分野、つまり監視においてこの技術を通用させることを目的としている。タンパおよびヴァージニアビーチ警察では一件の逮捕にもつながらなかった顔認識システムを除去した経緯がある。ボストンの空港で2002年に行われた試験では、セキュリティのチェックポイントでテロリストとして役割を演じたボランティアのうち39%の認識に失敗している。

カーネギーメロン大学のロボット工学研究所を率いるTakeo Kanadeによると、顔認識の監視への利用は、システムが人の写真を撮るときに、斜めのアングルであったり光が乏しかったりするためにイメージが劣悪で「大変困難である。」テロリストは、変装したり、顔を隠す帽子を被ることでシステムを克服することができてしまう。

国家安全保障局の研究は、Boydによれば、「顔の部分的写真を、完全な正面写真に構成しなおす」技術を作ることで欠点を克服することを目的とする。「これはまだ誰も行っていないことだ。」

コネチカット州StamfordにあるL-1 Identity Solutionsによるこの研究について、Kanabeは「顔認識の一番困難な部分に挑戦するもので、追及する価値はあると思う」と言う。

【囲みの中・上】
国家安全保障局の顔認識契約の詳細:
2006年12月から2008年5月まで、コネチカット州StamfordのL-1 Identity Solutions社に180万ドル
顔の一部しか見せない写真から顔の完全な正面画像を作ることを目的とする。
情報元:L-1 Identity Solutions


「コメント」

記事ではこれから顔認識システムを新たに導入するような書き方をしているが 筆者の知る限り米国では既に、一部の政府機関で実用化されていると思う。 
一例として、米国の国際空港では入国に際し、毎回パスポートのスキャンと同時に指紋と顔写真を採証され、データベースに登録されるのはご存知のとおりである。
もっとも実用レベルの運用がなされているのは、外国人の入国管理や犯罪者データベース、免許証登録センター等に限定されているのが実情だろう。
しかし、本来の顔認識データベースシステムの効果を発揮するには、もっと大規模な監視カメラの普及が必要である。
さらに、カメラをアナログからデジタル化することと、DVR (digital video recorder)の普及が不可欠だが、防犯よりもプライバシーや人権が優先される米国では、監視カメラの普及にそれほど熱心ではないため、実現するには、まだ相当な時間が必要だろうと思われる。
    
逆に日本では、プライバシーや人権よりも、防犯意識が優先される現状から、カメラをたくさんつければ犯罪も減る(確かにそのとおり)とばかりに、地方自治体や町内会、商店街レベルで積極的に監視カメラが導入されている。
また初期に設置された監視カメラの更新も始まっており、アナログカメラ、VTRレコーダーから最新のデジタルカメラとネットワーク対応が可能なDVR (digital video recorder) の導入が始まっている。
   
今後日本では、カメラのデジタル化とネットワーク化が進むことで、商店街の監視システムに政府・警察のコンピューターが、アクセスすることも可能となり、ハリウッド映画で見られるような未来の警察が、一足先に実現しつつある。
   
近い将来、警察はコンビニや商店街の監視カメラ、免許証、パスポート、その他の顔データベースをオンラインで検索し、容疑者を絞り込んでいく捜査を確立するのは間違いないだろう。
刑事が被疑者の写真を持って聞き込みに回るなんてことは、昔話になってしまうかもしれない。



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