■DATA
型 式:TokarevTT-33
設計者:Fedor Tokarev(旧ソ連)
全 長:193mm 重量:830kg 銃身長:116mm
口 径:7.62mm(.30cal)ライフリング右4条 装弾8発+1
カートリッジ:7.62mm×25(.30モーゼルミリタリー)弾頭重量86gr(5.6g)
初 速:公称420m/sec

■トカレフの歴史
1993年旧ソ連軍に制式以後米軍のコルト45の対抗馬として共産軍の主力拳銃として普及。ソ連の他中国、北朝鮮、エジプト等でライセンス製産された。ベトナム戦争においても北ベトナム軍が使用したのでトカレフで撃たれたGIも多い。トカレフの特徴として貫通銃創が多く当たりどころさえ悪くなければ傷口がきれいで直りが早かったとのこと。現在ロシア軍の主力拳銃はトカレフからマカロフ9ミリ自動拳銃へ移更したが、中国では現在も主力として使われている。
日本へ入って来るトカレフはこの中国製トカレフで、現地名「黒星」と呼ばれているものである。また、トカレフの弾薬(カートリッジ)は、第一次世界大戦で活躍したドイツの大型自動拳銃モーゼルと同じ弾薬を使用する。一説によると第一次大戦で旧ロシアがドイツから多量のモーゼル弾を鹵獲したのでこれの活用をはかったとも云われている。

■特徴
トカレフの2大特徴として次の2点があげられる。
●初速が極めて早い     
●貫通力が強い


1)トカレフの初速の早さについて
当社による実測データ(米国 H.P.White研究所にて測定)公称420m/秒のところ 実測490.73m/秒(MAX)であった。

2)初速が早い理由
一般的な拳銃は38口径(9.65mm)、45口径(11.43mm)、9mmクラスであるのに対し、トカレフは30口径(7.62mm)という小口径高速弾を使用するため。またカートリッジの特徴として、ライフルカートリッジと同じボトルネックカートリッジを使用しているため火薬の燃焼とガスエネルギーが効率よく弾丸に伝わり初速を上げている。

3)貫通力が強い
初速が早いため、弾丸自体の運動エネルギーが高く貫通力も強い。


弾丸エネルギーの算出方法
弾丸のエネルギー
初速×初速×弾頭重量

2

比較例)

A. S&W 38口径

344.760
260×260×158gr(10.2g)

2

B. Tokarev

672.280
490×490×86gr(5.6g)

2
◎344対672でトカレフの弾丸はSW38口径の約2倍のエネルギーを持つ。  

●FMJ(Full Metul Jacket)
トカレフは、軍用拳銃であるので国際条約に基ずきFMJ弾(フルメタルジャケット)を使用する。FMJ弾とは鉛合金の弾芯(コア)をジャケット(通常は銅合金)で包んだ弾丸である。

■軟鉄製FMJ
日本に流入しているトカレフは中国製が主であるが、NORINCOと呼ばれる中国の軍需工場「中国北方工業工司」製の弾丸には通常の銅合金製のジャケット(被甲)とは別に軟鉄製のジャケットにブロンズ系のメッキを施した弾丸がある。(実際に磁石を近づけると吸いつく)
当社で調査したところ、7.62mmトカレフの他に7.62mmAK47の2種類を確認した。この軟鉄製FMJ弾は一種の撤甲弾と同じような効果を有しており、きわめて高い貫通力を持っている。

■当社のTOKALEV実射データ
例1) 5mの距離から厚さ3mmのステンレス板(SUS304)を簡単に貫通した。
   38、コルト45、ベレッタは貫通しなかった。
例2) NIJ-3Aの防弾ガラスを貫通した。
   44マグナムSWC・GCは貫通しなかった。
*貫通力においては357,44マグナムよりも強い。