CERAMAT EX
RPG-7(対戦車ロケット弾)対応防弾システム

紛争地域では、RPG-7ロケット弾が多く出回っているのはご存知のとおりです。
RPG-7は大変安価で使いやすく、そして強力な破壊力で装甲車両はもちろん米軍のエイブラム戦車ですら当たり所(エンジンルーム等)によっては撃破できる驚異的な性能を持つ武器です。

また 2001年(平成13年)12月22日に発生した北朝鮮の工作船事件では、海上保安庁の巡視船(あまみ)が、北朝鮮工作船から自動小銃、14.5mm2連装機関銃、更に2発のRPG-7ロケット弾による攻撃を受け、海上保安官が負傷しました。 荒天が味方したのか幸いにもロケット弾は2発とも命中せず大きな被害は回避されました。 わが国へ不法侵入しようとする勢力が、RPG-7を持っていたことは驚愕すべき事実です。

写真の上の部分が、RPG-7発射装置( ロケットランチャー)で内部は中空の筒になっています。 下がロケット弾です。 写真では分りにくいですが、ロケット弾は3つの部分で構成されております。

写真左の膨らんだ部分が弾頭で、内部にコーン状に高性能爆薬が充填されており、発射後に硬いものに当たると、弾頭の圧電信管が作動し逆円錐状の爆薬を後部から起爆させ、モンロー及びノイマン効果のメタルジェットを前方へ噴出し、300mm程度の装甲板を瞬時に焼き切り、高温高圧ガスを車内に吹き込み装甲車等を破壊する仕組みとなっています。 中央部が、ロケットブースター部で内部にはロケット推進火薬と、折りたたまれた4枚のアルミニュウム製らしい羽 Fin が入っています。 右端は、無反動砲としての発射装 薬が充填さ れています。

RPG-7を発射するときは、この弾頭をランチャーに前から差込み、所定の(発射用起爆信管と発射用ハンマー)位置を合わせてセットし、引き金を引くと、後端の無反動装薬が爆発し、轟音と盛大なバックブラストを後方に放つことで弾頭を撃ち出します。 その後約30メートルほど飛翔しやや高度が落ちたあたりでロケットブースターに点火し再加速、照準点に突き進みます。 発射の模様を横から観察すると、発射時とその直後に前方30メートルあたりでロケットブースターに点火した際の小爆発が観察されます。   

RPG-7は、無反動砲とロケット弾を組み合わせた打ちっぱなしのロケット砲で、弾道をコントロールする機能は無いのでミサイルではありません。 またバズーカ砲と誤った表現をされることがあ りますが、バズーカは、単なるロケット弾とその発射装置であるのに対し、RPG-7は無反動砲とロケット弾を組み合わせた、ユニークで独創的なアイデアの兵器です。 また、威力の割りに安価で、取り扱いに特別な訓練は不要です。 小型で持ち運び、隠匿、保管も容易なため今後も普及拡散は避けられません。 

小型で強力な破壊力を持つRPG-7ロケット弾ですが、弱点も多々あります。 まず、実際に実射試験を行って分ったことは、ロケット弾の破壊力は、単に成型炸薬の爆発によるメタルジェットによるものだけではなく、もう一つの要素として弾頭の衝突スピードによる物理的な作用も大きく影響していることが挙げられます。 したがって破壊力を十分に引き出すためには、ロケットブースターにより加速して弾速(秒速250m程度といわれている・・・コルト45拳銃の弾速と同程度)を上げてやらないとメタルジェットの効果が十分発揮されません。 一般的には80メートル以上の距離から撃つこととされています。 また、標的までの距離が近すぎるとが不発(信管が起爆しない)とな るようです。(・・危険すぎて実験しておりません) 

では、80メートル以上離れて正確に命中させられるかというと、射手の技量にもよりますがかなり難しい確率となります。 弊社の試験では1メートル四方の固定標的に、戦場と同様に肩撃ちでトライしましたが、初弾は枠の部分に逸れて命中しなかったため、次弾以降は即席の架台を使ってやっと正確に当てられました。 このレベルの精度なので高速で走行する車両に、80メートル以上はなれて横から命中させることは至難の業です。 したがって車両を攻撃する場合、待ち伏せや障害物等を使って、車を停止または低速走行に追い込んでから攻撃します。 また戦車や装甲車に対する攻撃には、道路周辺に身を隠し車両の通過を待って真後ろから撃つことで命中を容易にしています。 また重装甲の戦車といえども、歩兵や武装車両の支援無しの単独行動をとると、もっとも脆弱なエンジンルームにRPG-7を撃ちこまれることになります。

また命中を阻害する要因として、前述のとおり弾頭中央部のロケットブースターに、弾道を安定させるための4枚の羽根がついておりますが、この羽根が風の影響を受けやすく、横風で弾頭が流れて命中しないことがあります。 さらに無反動砲の発射に伴うバックブラストにより車内、室内からは撃てないほか、野外ではバックブラストで発砲場所が暴露するため集中砲火を受けるなどの弱点・問題点があります。

弊社では、下記のRPG-7ロケット弾用防弾システム「 CERAMAT EX 」を開発しました。  

<実射試験>


鉄製の格子とスタンドオフさせて取り付けた CERAMAT EX

停弾したRPG-7の弾頭部分



<RPG-7対策を施した米軍のストライカー装甲車>
当然のことですが、車体はセラミックコンポジットで補強されております。格子だけでRPG-7を回避することは不可能。