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現金や貴重品等保安管理を要する貨物の輸送に使用される車両は、概ね下記の4種類に分類されます。 |
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■メールカー
金融機関の本支店・事務センター間やスーパー、コンビニエンスストアーの事務センターと各店舗間等で運行されています。手形 小切手 商品券 クレジット帳票 社内郵便物等の貨物が中心で、換金性が低いため強盗被害のリスクも低く想定されている。
金庫室は搭載しておらず、簡単な仕切り区画と窓に鉄格子か鉄板を張る程度の構造でありセキュリティシステムも簡易なものが多い。しかし、メールカーと現金輸送車は外観上全く区別がつかないため現金輸送車と誤認して襲撃を受ける場合もあります。またメールカーに現金を積むケースや、現金輸送車が必要な分野にメールカーを流用しているケースもあり事件予防の観点から改善が求められています。
また個人情報保護法の関連で様々な個人情報関連のデータを輸送する場合、メールカー等を使用することが事件予防の見地から望ましい。
■硬貨輸送車
金融機関の本支店・事務センター間やスーパー、パチンコ店、自動販売機ベンダーへの集配に使われています。従来メールカーや現金輸送車で運搬していましたが、硬貨の運搬は肉体的負担が重いため、輸送職員の労働環境の改善策として油圧ゲートや専用台車を装備した硬貨専用輸送車が普及し始めています。
硬貨は重量が重い反面金額が低く、強盗被害のリスクは低いと想定されているため、セキュリティシステムは簡易なものが多く、貨物室もメールカーと同程度です。通常、ベース車には1〜2t級のルートバン、2t以上はトラックを使用します。
■現金輸送車
現金専用輸送車は、銀行の事務センターから各支店間の集配と、デパート、スーパー、駅、ギャンブル場など現金が大量に集まる施設からの集金。 CD・ATM等の現金払い出し機への補充等の分野で運行されています。 海外では、ほぼ100パーセント装甲仕様の現金輸送車が使用されています。 フランスでは、度重なる現金輸送車襲撃事件の抑制を図るために、2005年に現金輸送車の防護基準が法律で定められ、最低限AK-47カラシニコフ小銃の射撃に耐える防弾性能が義務付けられ、2006年から実施されています。
また、アメリカでは数年前にハイスクールでライフル銃を乱射する無差別射殺事件が起こりましたが、その時校内の逃げ遅れた生徒たちを救出するにあたり、地元警察が近くの警備会社から現金輸送車(装甲車)を借りてきて救出に使用したというエピソードがあります。
そのくらい海外では装甲輸送車が普及しておりますが、日本は比較的治安がよかった関係で、現在でも現金輸送車は非装甲車(ソフトスキン)が主流です。 また法律等によって厳密に構造基準が定められているわけではないので、事業者ごとに仕様や防護力にばらつきが有るのが実情です。 また、装甲車(ハードスキン)は一部の警備輸送会社等で運行されていますが、微々たる台数というのが実状です。
現金輸送車で輸送する現金には、新札と古札があります。 新札は発券番号が控えられているために、マネーロンダリング(資金洗浄)しなければ使えないため、犯罪者には敬遠されます。 反対に売上金等の使用済みの古札は、番号が控えられていないため捜査が難しく、またマネーロンダリングの必要がなく額面どおりの価値を持つため、プロの犯罪者は古札(環流札)を積んだ現金輸送車を狙ってきます。
(A)現金輸送車の標準仕様
1.独立した金庫室を有している
2.車体及び金庫室は破壊に対し一定以上の時間に耐える能力を持つ
3.交通事故等で簡単に開扉せず、且つ開放不能に陥らない構造の扉を有する
4.特定の鍵や解錠装置を使用しなければ扉を開けられない施錠装置を有する
5.防犯用の警報装置を有しその警報は十分な音量を有する
6.無人時の貨物、車両の盗難を防止する装置を有する
7.乗り逃げを防止する装置を有する
8.刃物や鈍器(及び銃器)による攻撃や威嚇から乗務員を守る構造を有する
*防犯上の事情により細部の説明は割愛させていただきます・
(B)普通現金輸送車(非装甲・防刃・防鈍器型)
最近の現金輸送車襲撃事件で使われた凶器のうち、約半数はナイフ等の刃物と金属バットやかなづち等の鈍器が使われております。これらの凶器には装甲車でなくても比較的有効な対応が可能です。
非装甲現金輸送車は通常のバン型車に金庫室やセキュリティシステムを搭載し、更に乗務員席の窓ガラスをセキュリティフィルムで補強することにより、刃物や鈍器による攻撃から乗務員を守る構造となっています。
■装甲(防弾)現金輸送車
非装甲現金輸送車の窓ガラスを防弾ガラスに取り替え、ドアやボディの内部にアーマーパネル(装甲板)を取り付け乗務員席を防護した簡易装甲車と、トラックシャーシーに装甲ボディを架装したフル装甲車の二種類があります。また海外には装甲車の防弾能力を示す規格がありますが、日本には規格や基準がありませんので、米国のNIJ規格を準用しています。
日本の国内犯罪に使われる銃器は、ピストルか狩猟用の散弾銃がほとんどで、これらの銃弾を防ぐには「NIJ V-A」(ハンドガンレベル)以上が必要となります。特に、日本の犯罪にはトカレフ拳銃が登場しますが、この拳銃は貫通力が非常に強く「NIJ V-A」レベルの製品でも貫通する場合があります。アメリカ製のLAV(ライト アーマー ビークル)と呼ばれるジャンルの装甲車(乗用車タイプを含む)はトカレフ弾が貫通しますので注意が必要です。
上記の非装甲車(防刃・防鈍器)や装甲車(防弾)を使用していても、積みおろし時や徒歩搬送等の車外作業中は無防備状態となるため、防刃ベストやヘルメット又は防弾ベストや防弾ヘルメット等のパーソナルプロテクションが必要なことは言うまでもありません。
■その他の輸送車
○銀行支店営業車
銀行の支店には営業用兼小口臨時集配金用として、軽乗用車や小型のライトバンが配置されております。
この車両は元来現金輸送を目的とした車両ではないので、セキュリティシステムや金庫室等の装備はありません。しかしこの無防備な営業車を使って日常的に多額の現金を搬送していたために、襲撃され甚大な被害を受けた事件が多発しています。一般的な窃盗や強盗犯は、「成功率が高く、検挙されるリスクは低く、且つ手にする利益は最大となるような犯行を目指している」といわれています。つまり防御能力が無いに等しい反面、多額の現金を積載している営業車は、強盗犯にとっては、涎が出るほどの理想的なターゲットとなります。事件防止のため現金輸送には専用の現金輸送車を使わなければなりません。
○ 美術品専用車
盗難防止の他に防水、温度・湿度管理等の設備を持つ
○バンクカー
車内に現金払い出しカウンターやCD・ATMを装備した移動式金融店舗車。日本では普及していませんが、外国では工場労働者の給料支払業務等に使われています。
○宝石・貴金属、磁気テープデータ、磁気カード、有価証券、商品券、高速券の輸送は特に専用車は無く、メールカーや現金輸送車一般トラックで輸送。
保安貨物輸送車仕様比較表
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項目/車種
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mcシリーズ
メールカー
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SV-Gシリーズ
硬貨輸送車
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SVシリーズ
現送車
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TACTシリーズ
現送車(装甲車)
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セキュリティレベル
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ー
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ー
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防刃・防鈍器
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拳銃・散弾銃
ライフル(OP)
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セ
キ
ュ
リ
テ
ィ
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セキュリティフィルム |
×(OP)
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×(OP)
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○
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防弾ガラス
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| 非常サイレン |
×(OP)
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×(OP)
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○
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○
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| 無人警戒システム |
○
|
○
|
○
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○
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| ワイヤレス非常警報 |
○
|
○
|
○
|
○
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| ワイヤレス
アクセルインターロック |
×(OP)
|
×(OP)
|
×(OP)
|
○
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| 警戒時
セルMカット |
×(OP)
|
×(OP)
|
×(OP)
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○
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貨
物
室
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区画・金庫室 |
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| 1. |
窓は鉄板により閉鎖 |
| 2. |
独立した金庫室を有す |
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| 1. |
窓は鉄板により閉鎖 |
| 2. |
独立した金庫室を有す |
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| 二重扉 |
×
|
×
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○
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○
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| スリーコンパートメント |
×
|
×
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○or×
|
○or×
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施錠装置
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テンキー |
×
|
×
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○
|
○
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| 特殊錠 |
×
|
×
|
○
|
○
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主な貨物
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手形・小切手
クレジット・社内郵便
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硬貨
(台車)
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現金
貴重品
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現金
貴重品
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