アサルトライフル用 新型徹甲弾の脅威
このたび弊社では、旧共産圏の弾薬メーカーから、強力な貫通力を持つ新しい簡易型徹甲弾が供給されているとの情報を得て、さっそく実射試験(外国で)を行った。
この弾丸の特徴は、西側のNATO M61 徹甲弾 (7.62 X 51mm AP 等の FMJの弾芯に特殊鋼やタングステン鋼等の超硬金属製の貫徹子を入れた物) のような高度の製品ではなく、単に被甲(弾丸のジャケット)を軟鉄製から、焼入れした鋼鉄製に代えただけの代物(筆者の個人的な見解)であった。
ご存知のとおり旧共産圏で製造された、AK-47やトカレフ拳銃は、軟鉄製のジャケットを使用している。 鋼鉄製の銃身で、同じ鉄製の弾丸を撃つと、銃身のライフリング(弾丸に回転を与えるための溝)が磨耗し、銃の寿命が短くなるというのが西側の常識だったが、共産圏では弾丸のジャケット(軟鉄被甲)に分厚いメッキを施すことにより銃身を保護する技術が確立されており、今回入手した簡易徹甲弾も同じ技術を踏襲している。
数種類あるらしい中から今回は、R223(5.56 x 45mm )タイプを入手できたので、NIJ-III / EN-B6レベルの装甲鋼板に、試射したところ、従来の徹甲弾と同等またはそれ以上と思われる貫通力が確認された。
この装甲鋼板は、M-16ライフルの、スチールペネトレーター入りM855弾(5.56X45mm通称グリーンチップ)、AK-47 7.62X39 mm( 軟鉄ジャケット鉛コア)、新型AK-74(5.54x39mm 軟鉄ジャケット、鉛・軟鉄コア)及びM700狙撃ライフルやM240機関銃で発射するNATOの M-80(7.62X51mm FMJ)弾を跳ね返す防弾専用特殊鋼である。
イラクなどの紛争地域では、既に徹甲弾による装甲車搭乗員の被害を耳にするようになった。 今回試験した新型徹甲弾は、シンプルな構造なのでコストパフォーマンスに優れ大量生産に適している。今後は旧共産圏を中心に一気に普及する可能性が否定できない。 AK-74やM16クラスの多装弾型軽重量アサルトライフルが、大型小銃の徹甲弾と同等の貫通力を発揮するとなると、深刻な脅威である。
イラク等には、莫大な予算を投じてNIJ-III/EN-B6レベルの装甲ハマーが大量に配備され、兵員を銃撃の被害から防御する対策が採られたが、今後これらを無力化する低価格の弾薬が誕生したことは、更なる防弾への追加投資が迫られる難しい局面を迎えた。
この新型徹甲弾を停弾するには、NIJ-IVまたはEN-B7の高度な防弾レベルが必要となる。
AK-47 カラシニコフで、(7.62X39mm MSJ 軟鉄ジャケット鉛芯FMJ) |
REMINGTON M-700 で、NATO M80 Ball (7.62X51mm MSJ 軟鉄ジャケット鉛芯FMJ) |
M16-A2で、R223( 5.56X45mm ) タイプの新型徹甲弾( 焼入れ鉄ジャケット鉛芯FMJ) |
| ※発射距離・・・15M |

|